阪急百貨店うめだ本店にてクリスマス・ショウウィンドウ”MEET the WONDER CHRISTMAS 『不思議の国のアリス』”
今年で4年目の挑戦になった阪急本店のクリスマス・ショウウィンドウ。
4回挑戦しても一向に慣れる事のできないサイズ感で、いつも出来上がるまで、長一く苦しい戦いになっています。
さらに、今年は新しいテーマ『不思議の国のアリス』という事で、3年間続いた『くるみ割り人形』とは、もっと違う世界観にしたいなという想いがあり、1体の人形にかかる制作時間が大幅に増える事態になりました。
そんな自分の首を絞めるような製作形態に決断してしまいましたが、短い製作時間の中、少数精鋭のスタッフの皆様に本当に支えてもらう年にもなりました。本当に感謝です。
(本当に沢山の方々が制作に関っています。)
今年の仕事を終えてからの嬉しかったことは、沢山の人達が喜んでウィンドウを見ている姿を見る事ができたことです。毎年、見させて頂いている光景なのですが、今年は大阪にいた時間も長かったためか?アリスという親しみやすいテーマだったからか?沢山の方がウィンドウを写真を撮影している姿を見れました。
そして、SNSを通して沢山の暖かいメッセージも頂きました。そういう一つ一つのリアクションが、とても嬉しく暖かく、半年間の長ーい苦労感が一瞬で報われました。
4年前からずっと、阪急うめだ本店装飾部アートディレクターの亀山和廣さんが言われていた「笑顔のきっかけになったら良い。」という言葉を改めて考える年でもありました。
どうしても、ウィンドウと向き合って製作しだすと大変大変!が口癖になってしまっていましたが、一瞬でも誰かの笑顔にきっかけになったのであれば本望だなと。
4年間このプロジェクトに携わる事ができて改めて、阪急うめだ本店の皆様、阪急うめだ本店アートディレクター 亀山和廣さんに感謝です。
『不思議の国のアリス(人形チーム)2022』
アートディレクター:小島靖史
衣装縫製: Gabriela Budíková テクニカルアドバイス:Jaroslav Doležal
造形協力: 浦部 裕光(彫刻家-2号ウィンドウ動物達), Zora Šebestová(トランプ兵隊), Alena Křžová(トランプ兵隊), Dana Veselá(フラミンゴ)
彩色協力:高城 ちひろ , 前島香里
アシスタント: 早坂純子 , 佐久間優季, 前島香里 , 高橋木綿子 , 小坂有紀 今年は、私のスタッフとして働いて頂いた横浜と大阪の皆様、皆んなでウィンドウに集合でき記念撮影ができました。プラハのスタッフの方々が揃わなかったのは残念ですが、皆で完成したウィンドウを見るチャンスは、4年間ウィンドウに携わって初めてだったので、とても嬉しかったです。
皆でウィンドウを見ながら良い部分、反省する部分を検証できたこと。
また、ウィンドウを見て喜んでいる方々の姿を見れた事。本当に良い経験でした。
特に今年は、2号ウィンドウの動物達を、私自身が極力手を出さずに仕上げてみるという挑戦をしました。動物を彫らせたら(動物だけではないのですが)右に出るものはいないな造形力を持つ彫刻家の浦部裕光さんが原型を彫り、張り子パテ作業を佐久間優季さん、彩色を前島香里さんが担当しました。
阪急のウィンドウにおける人形達は、大きな軸は阪急うめだ本店装飾部アートディレクターの亀山和廣さん。製作は私の主導で進んでおりますが、全ての人形は制作過程の要所でアートデイレクターの小島靖史さんとかなり細かく意見交換をしています。
2号ウィンドウの動物達や6号ウィンドウのトランプの兵隊(ラドスト劇場の工房の方々に制作してもらいました)のように、私以外の方々が製作してくれた人形達が存在します。
人形達が持つ小道具を、佐久間優季さん、前島香里さんが担当し、完成度の高い小道具達が人形の完成度の底上げになりました。また、本業が画家である高城ちひろさんの画力も随所で光りました。
人形事態が、私自身の作品(という気持ちでもちろん製作していますが)という面もありますが、多くのスタッフの方々が製作過程で沢山のエネルギーを注いで製作してくれたからこそ出来上がったと思っております。なので、”チームの作品”という一面も知っていて頂けたらなと思っています。
今年はプラハチームは、高橋木綿子さん、小坂有紀さんのお二方に新しくお手伝いに来て頂きました。『アリス』は4年間、阪急のクリスマスウィンドウのプロジェクトの中で一番、張り子用の型(人形は粘土で原型を作り石膏の型をとって張り子をしてます)が多かった年でした。
そんな中、いつの間にか私のアシスタントスタッフのボスという存在になっている、中高一緒で部活動も一緒だった早坂純子さんが、少ないスタッフの中ほとんどの型を驚異的なスピードで張り子作業をしてくれました。早坂一家は総出でバックアップをしてくれました。
仕事の量に対しスタッフの数がおかしいという問題は数年前からあったのですが、なかなかに新しい人員をいれるのは難しく、今年も少数のスタッフの方々に負担がドーーンと乗ってしまっている状態になってしまいました…。本当に誰一人かけてもできなかったなと思ってます。本当に感謝の念で一杯です。
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